ポタニカルなプリントのふんわりブラウス。縫製編。お花:アジアンハイビスカス。
こんにちは!
ブラウスの続きでございます。
このブラウスの縫製は教科書がありますので、
(「すてきにハンドメイド」に詳しい作り方が載っています。)
その作り方に沿って進めて行きたいと思います。
が、変更箇所があるので、その辺は臨機応変にやっていきます。
他にも、例えば生地によっての最適な始末や、方法が違ったりするので、
必ずしも教科書の方法で作るとは限りません。
縫製方法はデザイン+生地+腕(自己のレベル)で決めます。
既製服の場合は+コストが入ってきますが。
洋裁は自分の経験値が高いほど(引き出しが多いほど)
より良いものが作れます。
同じデザインでも生地が違えばパターンも違えたりします。
いろいろな始末、例えば袖口とか、裾とか
デザインによって何種類もバリエーションがありますね。
正しい答えはひとつではなかったりします。
このデザインで、このパターンで、この縫製での
ベストはありますが、許容範囲というものもあって、
間違っている!ということでもなかったりします。
この辺がおもしろいところなので、
例えば、同じデザインでいろいろな生地で作ってみる。
同じ生地でいろいろなデザインで作ってみる。
と言った、実験みたいなことを楽しむとおもしろいです。
縫製方法も好きな、楽な方法だけではなく、
ちょっとチャレンジしてみる。
そうすると、繰り返すことによって
自分の中に引き出しがいっぱい出来てきますね。
お、前ぶりが長くなってしまいました。
本日の本題、ブラウスの縫製に入っていきます。
たまにこう言った説明を見て作ったりするのも
けっこう勉強になります。
時々ツッコミを入れながらやっています(笑
後ろ見返しに芯を貼り、襟ぐり用のバイヤステープを作ります。
バイヤスの長いのをとろうと思うと、
大抵の場合生地の無駄が出るので、接いで必要な長さを作ります。
教科書は後ろ中心は輪ですが、これは接いでいますので、変更しております。
ここで糸の色。
ロック糸はカラーバリエーションの用意がありません…。
今回は本縫いで使用したグレーと同系の、本縫いよりちょっと薄い
グレーをチョイスしました。
ギリOKでしょうか?
ロック糸はだいたい90番手を使用します。
フィラメント糸なら80番手でもOKかな?
最近はお安いロック糸も売っていて(ユザワヤなら1個¥100前後)
揃えやすくはなったのですが、以前はお高くて…しかも3本とか必要。
あまり使わない色だけど、合ってないとヘン、といった場合がありますね。
そういう時は、シャッペの90番を利用しました。
カラーが揃ってますしね。
ただ、ロック用糸より、「撚り」が強いので仕上がりは硬い感じになります。
そんなに薄くない生地で、地色に限りなく合わせたい場合は
シャッペに限らず90番手を使用してみて下さい。
余談ですが究極の場合、ロックを使わないで、
薄地なら袋縫いや折りふせ縫い、厚地で洗濯しないなら折ってコバ、
アウターならバイヤス始末とか、
方法はいろいろあるのですが、手間がかかります。
インドなど途上国生産品はロックがかかっていない、
袋縫いとかの製品が多くあります。
なぜかというと、電気のないところで足踏みミシンで生産しているからです。
ロックは電気が必要ですから、足踏みミシンのみで縫い代始末をします。
ま、なんとでもなるのです~。
また横道にそれてしまいました…。
先ず、ドアップの後ループです。(実際は小さい…)
あまり細いと縫いにくいので、3㎝巾くらいのバイヤス布を縦に折って
出だしは少し太めにして、3㎜くらいのステッチをかけます。
余分な縫い代をカットします。
ミシン糸などに縫い針を通し、口の広い方から
縫い針のお尻から向こう側に通します。
目打ちなどで押し込んで、糸を引っ張って返します。
後右身頃中心の衿ぐりギリギリに止め付けます。
本当は教科書では玉縁始末の後にまつりつけるという仕様です。
いつもの癖で止め付けてしまいました。
見返しは開きどまりまで縫って、身頃と接ぎます。
後ろ中心を縫います。
表に返して衿ぐりと見返しの4~5㎜の止めステッチをかけ、
その続きでスリットにコバステッチをかけます。
肩を接ぎます。次は玉縁始末です。
基本的に片倒しの縫い代は、後ろ身頃側に倒します。
7㎜の縫い代でバイヤス布を表から縫います。
今回の玉縁はバイヤスにステッチを出さず、落としミシンで始末します。
玉縁が出来ました。
ループが縫い付けてあったのでちょっと苦しかったですが、
生地が柔らかいのでなんとか納まりました。
次はお袖です。
袖山にギャザーを寄せました。
袖下と脇を縫います。
袖に開きがありますが、袖下を利用するので
開き止まりまで縫います。
裾とスリットをいきま~す。
スリットは三つ折りミシンをかけますが、
角は額縁始末ですので先に角をやります。
角とスリットと裾の角にしるしを付けます。
通常はこのような方法でなく、パターンで計算して縫い代とか作るよね?
と思います。
三つ折りということで、中に折り込まれる縫い代をどうする?
という問題があるので、量産しない場合はこれでも良いかと思いますが…。
三つ折りでなければパターンで作ります。
通常、こういう手間はかけません。
でも、三つ折りの場合は縫い代がギザギザするので、かえって縫いにくいでしょう。
したがって、ここは額縁ではなく、裾見返しのような、
四角にカットする仕様が良いのではないかと思います。
ちょっとツッコミをいれたところで、進めます。
印をつけたところを斜めに縫います。
余分な縫い代をカットします。
縫い代はできるだけ割ります。
額縁が出来て、スリットと裾に三つ折りミシンをかけます。
最後の工程、袖口です。
袖下開きを三つ折りします。
袖口カフスはバイヤスなので、
太めの玉縁、と言ったところでしょうか。
端にミシンをかけて返します。
これも落としミシンで始末するので、
裏面落とさないように気を付けて…。
袖口が出来ました。
色がヘンですが、
スナップ釦を付けました。これで完成です。
ふんわりお袖。
後ろ身頃が長くなっています。
開きの釦はくるみです。
今回、意外だったのは裾角の始末が額縁だったこと。
額縁は広めの角の始末に使うと、スッキリ仕上がるのですが、
縫い誤差を許さないシビアな始末でもあります。
なびの講釈は書いてしまいましたが、
仕立てとしては上等の部類に入ります。
くどいですが、三つ折りでなければ簡単です。
袖口開きは通常後ろ側の袖口に切り込みを入れて作りますが、
これは簡易な方法での開きになります。
もう少しレベルを上げる場合は切り込み式の方が
良いでしょう。
「行ってこい」と呼ばれる仕様でしたら
そんなに難しくはないですよ~。
縫製の方法は「絶対」というものがありません。
時にこうやって、市販の教科書のようなものを見て勉強します。
描かれている方々のご苦労に思いをはせながら…。
何はともあれ、
生地の風合いが優しくて、パフ袖にぴったりす。
本日もありがとうございました。
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アジアンハイビスカスの開く前の姿です。
なかなか可憐でしょ。