なびの洋裁教室ブログ

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CHINA備忘録㉕ 雲陽の女性たち。

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         アメリカで縫製の研修をしてきた精鋭のお二人。NAVIの部屋にて。

 

 

 

中国の女性は強い、とよく言われます。

 

女性が強いというわけではなくて、

男女共通した性分がそう見えるだけと思います。

 

男女とも働いている家庭がほとんどなので、

同権っぽいと言えますが。

 

 

こちらは

カウンターパートの毛さん。

ハシビロコウに似た人でした。

仕事で期日までにやっていないことがあって、

忘れていたのか?と言ったら、

「忘れたわけではない。まだやっていないだけだ」と

言われたのが忘れられないな~。

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カウンターパートにあてがわれたとは言え、

基礎もセンスも根性もないので、困りました。

仕方ないですね。

すでに30代で家庭があって、特にやる気もないわけですから、

帰国後のNAVIの代わりにはなれないのであります。

女の子の母。ご主人は銃器工場勤務です。

雲陽が未開放地区の理由は兵器工場があるからでしょうか。

 

 

 

 

工場長の奥さん。同い年です。

やきもちを焼かれて、大変でした。

無教養丸出しの田舎の女性。四川省出身。

文化革命時代、工場長が四川省下放されていたときに、

婚期を逃してしまい、この奥さんをあてがわれたそうです。

最初見たときはお手伝いさんかと思ったくらいです。

工場長はなかなか良い人で、奥さんがもう少し教養のある人だったら

工場長を助けて工場も発展したと思うのですが…。

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それでも、NAVIを段々と理解してくれて、

おかずとか作って持ってきてくれるようになりました。

一人っ子政策時代に3人の子供を産みました。

工場長のことが大好きなようです。文盲でした。

 

 

 

工場長の親戚の女のコ。

NAVIがひとりで近所に出かけると、

追いかけて来てくれてました。

頭はかなり悪くて、まともな話が出来ませんでした。

でも、性格が良くて、何事も一生懸命で愚直な人でした。

工場では縫製を担当していました。

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「 日本人は礼儀正しいですね」と言われたので、

深々と正式なお辞儀をしましたら、面食らってましたっけ。

 

 

 

以前もご紹介したような気がします。

設計室の面々です。(左から2人目は除く)

ドロンワーク刺繍の図面を描くのが仕事です。

優しくて、かわいい人たちでした。

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左から副工場長の奥さん(名前は忘れた)

小さくて優しい人でした。男の子のお母さんです。

顔にあざがあって、それをとるために飲み薬を飲んでいたそうで、

その副作用でおならが良く出る、とか言ってましたっけ。

 

次2人目はハシビロコウの毛さんの2番目の妹。3人姉妹で、

上から大姉、二毛、三毛(一番上の姉、2番目、3番目)と呼ばれていたので

下の名前がわからないです。旦那さんは運転手です。きれいな人でした。

 

次は将さんです。細くて小さな人でした。

気さくで、いろいろと話しかけてくれました。

バラバラ殺人の話をしているときの

ギラギラとした目が忘れられません。

女の子のお母さんです。

 

 

 

 

いつも出てくる名前、鄭星さんです。当時28歳くらい。

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彼女は子供を産んですぐに北京で英語を学び、

工場では貿易関係と秘書みたいなお仕事とNAVIのお世話をしていました。

聡明でカンも良く、NAVIの怪しい中国語を理解し、

他の人に伝えることができる能力の持ち主でした。

 

困るのは工場の人とケンカすると何週間も実家に帰ってしまうこと。

NAVIは鄭星さんがいないと、何かと不便で困りました。

モノを見る目があるので、

お買い物の時も心強い存在です。

彼女のおかげでNAVIは雲陽で生活が出来た、というものです。

 

例によって鄭星さんが何時までたっても実家から帰って来ないときに、

しびれをきらして自転車を買いに行きました。

毛姉妹の3番目に案内してもらって買ったのですが、

カスをつかんでしまいました。

見た目は悪くないのですが、

きっと中国の自転車って、品質が最悪なのは言うまで間でもなく、

人間工学的な発想がゼロです。

そうです。

ムリな体勢で運転しなくてはならないし、

サドルが固定されていないので、乗り降りの時に

ぐるぐる回ってしまって、2度ほどコケました、

あぁ、鄭星さんアドバイスならこんなカスな自転車を

つかまされなかったのに。

 

試し乗りしなかったのか?  て?

そうなんです。またがっただけだったかな。

まだ最初の頃だったので、言葉もよくわからなかったのですね。

 

その後、

鄭星さんは夫と子供を置いて、杭州へ出稼ぎに行き、

そこで新たな男性と知り合い、

夫と子供を捨て、その男性と結婚し、男の子を産みました。

なかなかの波乱万丈ですね。

もうずいぶん前になりますが、電話で

「今の生活は幸せ?」と聞きましたら、意外なことに

「幸せじゃない」という返答がありました。

心配ですね。

雲陽の優しい夫と可愛い子供を捨てたバチがあたっているのでしょうか。

 

日本でも、日本に来るために年配のおじさんと結婚して、

新たな条件の良い男性とくっつく中国人女性がいますが、

それと同じなんですね、鄭星さんも。

 

やりたいことを、まわりの迷惑関係なく

やるのが中国人です。

なので、中国人に遠慮という気遣いは無用です。

100の要求に対してちょこっとでも叶えられたらラッキー!

としか考えていないので、

どんなこと言われても、はっきりと断れば良いのです。

 

でも、それが出来ないのが日本人というものです。

 

 

中国は共産主義なので、

男女とも働き、子育てはなんとなく地域で育てる、

みたいな感じはあります。

なんとなく女性も社会的進出していて、

男性も家事をやって、良いなぁ、

みたいに思うかも知れません。

 

NAVIが感じた実態ですが、

夫婦共働きさせて一家でいくら、

みたいな収入のような気がします。

つまり、労働人口は多く、給料は少なくて、

夫婦2人で1人分しか払わないということではないか、と思います。

共働きなので、たいていの家はめちゃくちゃです。

仕事とプライベートの区別がなく、みんな自由に休んだり、

おしゃべりや編み物をしています。

子供も見る人がいないので、

工場には子供たちが群れて遊んでいます。

 

おおらかと言えばそうですが、

生産性はめちゃくちゃ悪いです。

発展しないのには理由があるのだ、と実感します。

みんな好き勝手に生きているように見えますが、幸せそうではないです。

飢えた人か多い。(食物にではありません)

「日本では結婚したら主婦になって家にいられるのでしょ?」

とうらやましそうに何度も言われました。

主婦はあこがれだと聞きました。

 

 

 

そりゃそうです。

2人で1人分の給料しかもらえず、

落ち着いて仕事が出来ず、

家事もろくに出来ない(しないのかも)。

しかし、雲陽では選択の余地がない。

 

中国には野心的なバイタリティあふれる女性が多いですが、

そうではない女性も多いです。

 

都市部での働き方はわからないですが、

雲陽のまわりの女性を見ると、仕事も家事も子育ても、

すべて中途半端な結果しか

出せない環境であると思いました。

 

 

中国は男女関係なく、人民全員が幸せそうではない。

と言うのが実感です。

 

 

 

 

 

では。

本日もありがとうございました🚋