なびの洋裁教室ブログ

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CHINA備忘録㉒ 旅。雲陽脱出バス編。

こんにちは!

 

 

雲陽からの脱出、バス編です。

一般人民の移動は何と言っても、バスです。

近所はおなじみの自転車です。

 

切符も席があればすぐに買えるので、

気軽に利用ができます。

 

近距離はハイエース級の小さなワンボックスか、

小型のマイクロバスが主流です。

 

雲陽では南召駅近くの新街にバス乗り場があり、

そこから南召の中心地や南陽市などの

近郊に行くバスが発車します。

 

長距離バスは雲陽からは途中乗車になりますが、

鄭州や洛陽へ行くバスに乗ることができます。

 

NAVIがいつも利用していたのは

鄭州行きのバスです。

1日に2本、午前6時と午後(何時かは忘れました)でした。

バスに乗る時は、

バス停がないので

道端でバスを待ちます。

遠くにバスがやって来るのを見たら

大きく手を振り、乗りたいという意思表示をします。

バスの運転手が気が付いてくれて、

バスの速度を緩め、ドアを開いてくれます。

停まってはくれません。

まず荷物をバスの車内に放り投げ入れて、

NAVIも飛び乗ります。

乗員の視線が突き刺さります。

空いている席に座ります。

ここから鄭州までは順調に行って6~7時間の旅です。

途中のトイレ休憩はありません。

 

南陽市まで行くと、

ここからは北京などの主要都市への

長距離バスも出ています。

寝台バスもあります。

 

当時のバスはお世辞にも快適…

どころか、

窓ガラスが割れたままだったり、

座席が板だったり、

もちろん車内は汚れていて、

座席に座るのも躊躇するくらいです。

 

面白い(不愉快な)習慣は、

バスの車掌さんが行先を書いたボードを持って、

お客を探し、満員にならないと出発しない、

というバスがあることです。

これって白タクならぬ白バスって言うのでしょうかね?

こういうのに乗ってしまうと、ひどい時には、

1時間もウロウロ連れ回されたあげく、

お客が集まらないから、と言って

バスを降ろされたりします。

 

バスは気軽ですが、疲れます。

うっかり寝てしまうと、

荷物を盗まれてしまうので、

おちおち寝てなんかいられません。

道も悪いのでゆったりも出来ませんし。

 

都会の方では日本と同じような快適そうなバスも

走っていましたが、

田舎ではそれはそれはくたびれ果てたバスが

くたびれた人々を運んでおりました。

 

田舎のバスの世界を知ることは、

本当の中国の姿を知ることでもあります。

 

 

ひとつのエピソードを書きます。

 

95年8月。

着任して初めての旅となった上海旅行を終えて、

鄭州から南召行きのバスに乗りました。

(雲陽は南召の手前に位置します)

出発は13時30分くらい。

バスは混雑していて、座る席がありません。

ほぼ満員の中、次の停車は2時間先で、

それまで立ったまま。

ゆられること2時間。

停車する少し前にNAVIの近くに座っていた

若いご夫婦が、「次で私たちは降りるから、あなた座りなさい」と

ありがたいお言葉。

しかし、他の立っている乗客が

聞き耳を立てていました。

やかてバスが停車し、

その後夫婦が立った瞬間、

その席をめがけて人が突進してきます。

ひええ~  と思ったそのとき。

ご夫婦のご主人がNAVIの手を引っ張って、

自分の席に導いて、

NAVIを席に座らせてくれました。

 

となりにやたら太ももを押し付けてくる

気色悪いおっさんが座ってしまいましたが、

このご夫婦には感謝感謝です。

 

中国って、99.8%嫌な事や、不愉快な目に合うのですが、

困っているとけっこうな確率で

颯爽と助けてくれる人が出現することがあって、

この0.02%の存在に救われた気分になります。

 

バスは暗くなった頃、雲陽に到着しました。

降りる場所がわからなかったので、南召駅近くで降りて、

道を歩いていましたら、

向こうから鄭星さんがやってきました。

何時に帰るとか伝えていなかったのに、

鄭星さんは見当をつけてこのバスに乗っていると

にらんで、NAVIを迎えに来てくれたのでした。

鄭星さんが言うには

「バスは工場の前を通るから、ここで降りる、と言えば

降ろしてくれるよ」

とのこと。

乗車した時と同じですね。

もちろんバスは停まってくれないので、

転げ落ちるようにバスから飛び降りなければなりません。

 

「降ります」って

中国語では「下車」なんですが、

発音がけっこう難しくて、

まだ当時のNAVIでは「下車!!」って

運転手に聞こえるような大声を出す勇気はなかったなぁ。

 

 

 

本日はここまで。