なびの洋裁教室ブログ

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CHINA備忘録⑮ 雲陽の冬支度。

 

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                                  (毛糸やさん)

こんにちは!

 

 

 段々と寒くなってきました。

今回は雲陽の冬支度についてです。

 

 

前にも書きましたが、日本と現地では季節の移り変わりが

1ヶ月ほど違っているように感じました。

中国の方が日本より1ヶ月早く回っている、という感覚です。

 

日本の旧暦は大陸から来ていると思うのですが、

立春立秋など、

「早くも立秋です…」なんて猛暑の8月に言っています。

 

日本では暑くても、実際中国では秋の気配が感じられるのが

8月です。

中国ではこの調子で1年が回っていますので、

日本とは合わないのは仕方ないですね。

まあそれでも、日本の場合はたとえ寒くても

気配や次の季節に移る気持ちの準備、と申しましょうか。

 

中国は広いので(と言っても、ホントの漢民族支配の場所は大きくないが)

北と南では同じに語ることは出来ませんが、

NAVIの赴任地の河南省は中原と言われた、

ちょうど真ん中あたりですので、

原則的な中国と言っても良いかと思います。

 

 

現地は内陸部ですので、冬は底冷えがして寒いです。

中国での一番の思い出は何ですか?

と問われたら、

「冬が寒かったです」

と答えてしまいそうです。

 

北の零下何十度にもなる東北部も寒いでしょうが、

雲陽にはまともな暖房がないのでした。

 

中国の暖房制度は聞いたところに寄ると、

黄河より北には暖房設備があり、南にはない。

という事があります。

 

現地の暖房は石炭を燃やして、

パイプで部屋にお湯を回す方法です。

お風呂もこれです。

 

黄河より北は民家はわからないですが、

ある程度の規模の建物にはこれがあるようです。

(ないと、きっと死んでしまうからと思います)

 

現地では10月になると、女性はいっせいに毛糸のズボンを編み始めます。

並み太くらいのそんなに細くない毛糸で

きっちり目を詰めて、

しっかりとした毛糸のズボンはそのまま立ちそうな勢いです。

その他に、ベストやセーターなどを

仕事そっちのけでせっせと編みます。

 

以前、中国で手編みのアランセーターの生産にかかわったことが

あります。

アランセーターはイギリスの漁師のセーターで実用的なものですが、

日本ではファッションですので、

がっちりしたものより、

ソフトな仕上がりを指示しました。

が、いつも目が詰まってがっちりとした

硬いセーターが出来てしまってました。

 

現地でみんなが編むセーターを見て、

硬いアランセーターの理由がわかりました。

 

どう見ても、オシャレではない無骨な毛糸のズボンです。

 

しかし!

これがないと冬は乗り越えられません。

と言っても、

NAVIには自力で編む時間が無く、

仕方なく、130元も出して市販品を購入したのであります。

130元と言えば、鄭星さんの給料の半分です。

現地って衣服がけっこう高いです。

なのでみんな自力で作っていましたね。

 

工場長がNAVIのために用意してくれた暖房器具は

・オイルヒーター

・電気ストーブ

でした。

 

オイルヒーターはデロンギのと同じ形式です。

電気ストーブは丸いタイプです。

 

しかし

器具はあっても、電量配給に問題があり、

W数が大きいものは使えません。

使えない、と言うか

オイルヒーターはコンセントにさしてスイッチを入れると

コンセントからす~~~っと煙が出てきて焦げ臭くなり…

非常に危ない。

だから使えませんでした。

これが原因でNAVIの後任が火事を起こしてしまい、

部屋が丸焼けになってしまって、

パスポートも何もかもパーになったそうです。

 

 

電気ストーブは使えました。

 

その他は

・電熱器でお湯を沸かす。

・電気敷毛布を電気絨毯のようにして使う。

こんな感じですね。

 

これらは街の電気屋さんで買いました。

鄭星さんに付いてきてもらって、不良品チェックもしました。

日本では考えられないですが、

買いたいものはその場で通電させて不良品でないか確かめます。

電気敷毛布は5枚あったうち、3枚が不良品でした。

 

 

電気敷毛布は通電中はビリビリと漏電の疑いが

あったものの、寒さに耐えられず使っておりました。

2枚購入して、

1枚はソファーの上に敷いて、

もう1枚をふとんに敷いていました。

が、

ソファーに敷いていた敷毛布が発火し、

あやうく火事になってしまうところでした。

(ソファーとカバーに穴が…)

 

でもこれは不幸中の幸いで、

もし!

ふとんに敷いている毛布が、寝ている時に発火したら!

たぶんNAVIは焼け死んでいたことでしょう。

 

 

地元の皆さんは夏はちょっと暑かったら

すぐにへばってしまいますが、

寒さには強いです!

何と言っても部屋の中は昼間でも0度。

陽もささないのでお日様の恩恵も廊下のみ。

なんというか…。

実際の温度より寒く感じたな~。

一日のあいだで布団の中以外で温かいと思ったことがないなぁ。

外が寒いのは良いとして、

部屋が寒いのは堪えましたね。

電気ストーブに近すぎて、上衣を焦がしたり。

お風呂もあまりなかったし。

お風呂が無い日は、やかん2個でお湯を沸かして、

髪も身体も洗いました。

現地の人はまさかここまでしてお風呂に固執する日本人なんて

理解できないだろうなぁ…。

 

冬はすごく着込むので、いちいち着替えるのが面倒、

というのは理解できます。

 

NAVIは寝るとき、一応着替えるわけです。

でも冬場は着替えるのに20分くらいかかります。

まず、

上衣1.ババシャツ 2、薄手のタートルセーター 3.中肉のタートル

4.アランセーター 5.ダウンロングコート

下衣:1、タイツ 2、厚手タイツ 3、毛糸ズボン 4、ジーンズなど

靴はムートンブーツ又は厚底靴。

 

現地人はもっと着こみます。

毎日脱ぎ着しているなんて考えられないです。

きっと冬場は着の身着のままで過ごすに決まっています。

起きている時も寝ている時も同じ服で、

もちろんお風呂は入りません。それが普通です。

 

 

 

雪はほとんど降りませんが、底冷のする厳しい寒さ…。

一年目は慣れないので大変でした。

わけもなく怒りがこみ上げてきたりして。

 

サイズの違うガラスが入った窓にビニールを張って

最初の冬を迎えました。

 

 

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地元の毛糸やさん。おおきな「かせ」で毛糸を売っています。

手が染まってしまうのが難点ですが、NAVIもみんなにつられてセーターを編みました。

 

 

 

 

では。

本日もありがとうございました