CHINA備忘録⑭ 日本輸出に向けてGO!
CHINA国内の縫製工場視察&日本の企業との顔合わせを終えて
雲陽に戻ってきました。
すでに工場長以下に鄭星さんが仔細を報告しており、
工場内は祝賀ムードに包まれておりました。
日本の企業から
「輸入してもええよ~。NAVIさんが管理してくれるんでしょ?
とりあえず、サンプルの生地を持ってきたから、これで何か作って
日本に送ってね。それかまた上海で見させてもらってもええよ」
というありがたいお言葉を頂戴していました。
生産する商品の方向性は日常着。
ホームウエアみたいなものとしました。
いただいた生地の中で、CHINA国内で調達できそうなものを
ピックアップし、デザインにとりかかりました。
20フィートコンテナ1個分でだいたい5000枚程度、
300万ほどの商談です。
いきなりお願いして、快く承諾してもらい、
本当に助かりました。
この会社は協力隊に参加する直前まで勤めていた会社の
取引先です。
生地を仕入れていたのですが、製品も作っていました。
いつもは上海郊外にある工場で生産しており、
少ないつてをたどっての無理なお願いだったのです。
さて、
現地で生産する価値のあるものは何でしょうか?
生地はシーチングのようなフツーの綿生地をチョイスしました。
この生地ならいくらなんでも
探せない、とは言わせません。
そして考えたのが、
濃紺に染めて、藍染っぽくし、
刺し子のような刺繍をほどこす、というデザインです。
雲陽はドロンワークという、
カットワーク刺繍を得意としていますので、
CHINAならではの、手仕事を外すわけにはいきません。
時はすでに11月。
現地の11月は寒くてすっかり冬になっています。
内陸性気候の底冷えはNAVIが経験したことがない寒さでした。
刺繍図案の試作をしているNAVIです。
現地には刺繍糸、というものがなく、
綿糸を染めて試しています。
そして、
工場内ではNAVIを見る目がすっかり変化していました。
それまでは幼稚な中国語しか話せない、
幼児並みの扱いを受けていたNAVIですが、
日本へ輸出ができるかも、ということで
良い方に掌返しが起こりました。
一気に皆がNAVIに優しくなりました。
NAVIをいびっていた工場長の奥さんもご飯を作って
持ってきてくれたりします。
優しいのは嬉しいですが、
NAVIの責任も重大です。
工場長が張り切って、
いろいろな設備を導入するぞ~~っ!!
と鼻息も荒く、銀行から ええ?という金額の借り入れをしてしまいました。
(金額は忘れましたが、初回輸入取引額300万円は軽く超えていたような…)
でも
その前に満足のいくサンプルを作らねばなりません。
サンプルが完成したら
それを持って、工場長を連れて上海で商談することにしました。
サンプルは
①全体のデザイン
②刺繍の図案
③刺繍の試作、糸と色決め
④パターン作成
⑤刺繍生産用図案
⑥刺繍出し
⑦サンプル縫製
という手順です。
日本と違って困ったのが、糸やボタンなどの附属品探しです。
日本には生地などに品質の基準があり、
検査に出し、合格しないと輸出は出来ません。
生産で使用できるものを探すことは大変でした。
試行錯誤を繰り返し、
生産本番のことも考慮しながら、
サンプルが出来上がったのは
新年を迎える頃でした。
本日はここまで。
今でも思い出すのは冬の寒さです…。
暖房らしいものは電気ストーブと電気敷毛布です。
黄河の南の地域は部屋にスチームが入っていないので、
雲陽の場合、冬は部屋の中で零度くらいです。
また今度、冬の寒さについて書きますね。
では。
本日もありがとうございました🍜
上海にて。